結論
省令案は「継続治療の救済」に絞る方向と報じられている。
2026年10月16日の報道によると、零売で薬を販売できる「やむを得ない場合」を、処方箋にもとづいてすでに使っている処方箋医薬品以外の医療用医薬品に限る省令案が示された。
パブリックコメントの期限は2026年11月14日。

ニュースの要点
現行の取扱いでは、医療用医薬品は処方箋にもとづく交付が原則だ。
OTCで対応できず、やむを得ない場合にかぎり、必要最小限の量を販売できるとされてきた。
厚労省の資料では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品は約7,000品目(2020年7月時点)とされている。
販売時は、数量の限定、受診の勧め、販売者や薬局の連絡先の伝達、品名・数量・日時などの記録と2年間の保存が通知で求められている。
2025年の改正薬機法で、処方箋なしの医療用医薬品の販売は原則禁止とされ、やむを得ない場合の方法が法令で明確にされた。零売にかかわる部分の施行は、2027年5月20日の予定だ。

省令案
2023年の検討会で示された内容をまとめると次のようになる。
- 継続使用:医師などに処方され服用中。新しい症状の判断や薬選びではない
- 不測の事態:薬が手元にない。計画的・反復的な購入ではない
- 受診困難:診療を受けられない。ただし時間の節約や費用の理由だけでは不十分
- OTC代替困難:代替できない、または入手しにくい
- 販売量:受診までの最小限。長期の販売はしない
- 連携・記録:かかりつけ薬局や医療機関への報告。確認と追跡ができる状態を残す
零売と薬剤師の役割について思うこと
ここからは、私個人の感想です。
零売は、2020年ごろに特に注目されていたように感じています。
薬局薬剤師の仕事は、処方箋に疑義がなければ医師の指示に沿って調剤する場面が中心で、どうしても受け身になりやすい面があります。
医師を介さずに相談に乗れる零売は、薬剤師が中心となって関われる仕組みとして、薬剤師の可能性を感じさせるものだったと思います。
私自身も、零売を行う薬局の面接を受けたことがあります。
2009年に登録販売者制度が始まり、2019年の0402通知で調剤業務の一部を薬剤師以外が担える範囲も整理されました。
薬剤師の役割が見直される中で、零売は薬剤師の活躍の場としての選択肢の一つとして見られていた面もあるのではないでしょうか。
今回の省令案は、まだ確定ではありません。
どのような形に落ち着いても、薬剤師に何が求められ、患者さんにどんな価値を届けられるのかを、あらためて考えながら、できることから行動していきたいと思います。