2026年9月25日、m3.comが医師会員へのアンケート結果を報じた。
初期研修医を定時で帰すべきかという問いに、医師全体の54%が「いいえ」と答えた。

医師54%「研修医、定時で帰すべきと思わない」
日本専門医機構が行った専攻医への意識調査で、初期研修医の頃に「就業終了時刻後に残ることが『原則禁止』又は『禁止』だった」との回答が約2割あった。初期研修医を定時で帰すべきかどうかをm3.com医師会員に聞いたところ、開業医の54%、勤務医の…
自分は薬剤師で、医師の研修の中身を語れる立場ではない。
なので、研修医の教育や診療の話には踏み込まない。
ただ、「時間外の扱い」と「教育」の関係は、薬局や病院薬剤部の新人にも通じる話だと思う。
結論
- 54%は、現場の意見が割れていることを示す数字。
ただし、任意のアンケートで、長時間労働の効果を示すものではない。 - 制度上、業務として求めた時間外は労働時間になる。
名前が自己研鑽でも、指示や事実上の強制があれば労働時間になりうる。 - 薬剤師の職場選びでは、新人教育が勤務時間内にあるか、自己研鑽と業務の線引きがあるか、時間外の申請ができるかを見ておきたい。
労働時間の考え方
2024年4月から、医師にも時間外労働の上限規制が適用されている。
原則は年960時間で、地域医療の確保などのために都道府県の指定を受けた医療機関では、例外として年1,860時間となる。
研修医についても、上限や健康を守る措置が定められている。
研修中だから無制限、ということはない。
もう1つ大事なのが、自己研鑽との線引きだ。
「自主的に残っている」と言っても、上司の指示があった業務や、事実上参加が求められる会議、記録の作成は、名前が自己研鑽でも労働時間になりうる。
厚生労働省は2019年7月に、上司の指示の有無などで判断する考え方を示している。
薬剤師に置き換えると
下記の点を確認しておきたい。
- 新人教育は、勤務時間内にあるか:研修や勉強会が、業務時間外の自主参加になっていないか。
- 自己研鑽と業務の線引き:認定の勉強や資料の作成が、どこまで業務として扱われるか。時間外の申請ができるか。
- 人・設備への投資:人手や教育、調剤機器などの投資を増やさずに業務だけが増えると、長時間労働につながるおそれがある。
「若いうちは苦労すべき」という考え方は、世代によって受け止めが違う。
だからこそ、時間外の扱いと教育の仕組みが、言葉ではなく制度で決まっているかを見ておきたい。