結論:薬局の機能は栄養相談・特定保健指導へと広がっている
薬局やドラッグストアの役割は、薬を渡すことだけではなくなってきている。
アイリスファーマ、千葉薬品(ヤックス)、スギ薬局、日本調剤など、管理栄養士が店舗で栄養相談や健康チェック、特定保健指導を担う薬局が増えてきた。
薬剤師にとっても、薬の相談に栄養や予防の視点が加わる場面が増える可能性がある。
ニュースの要点
アイリスファーマ
あけぼの薬局を1都3県で展開。
採用ページでは「管理栄養士・栄養士 65名所属」と紹介されている。
栄養相談、訪問栄養相談、外来栄養指導、特定保健栄養指導、栄養相談会などを掲げ、認定栄養ケア・ステーションにも登録されている。
千葉薬品(ヤックス)
店内の「街のほけん室」で、管理栄養士・保健師が健康チェック、相談、特定保健指導の面談を行っている。
千葉県との包括協定の2023年度実績では、薬剤師・管理栄養士の派遣、食育プログラムなども報告されている。
スギ薬局
2019年9月に、店舗で被扶養者向けの特定保健指導の提供開始を発表。
管理栄養士が担当する。

日本調剤
2026年9月に林野庁共済組合の特定保健指導を受託。
全国の管理栄養士がオンラインで担当する。
一部店舗では栄養ケア・ステーションも運営している。

くすりの窓口
加盟する薬局・ドラッグストアの店頭で特定保健指導を実施。
健診結果をお薬手帳アプリに連携し、健康チャレンジでポイントを貯めながらセルフケアを続けられる仕組みも紹介されている。
つぼみ調剤薬局
サイトのトップで、レシピや「薬局で相談」の記事が定期的に更新されている。
「栄養」との関わり方:店舗常駐、特定保健指導、仲介
店舗に管理栄養士がいる型では、健康チェックや栄養相談が中心だ。
千葉薬品の採用ページでは、店内への常駐と各店舗を巡回する勤務があり、登録販売者の資格も取って薬と食の知識を合わせて相談に応じると紹介されている。
特定保健指導を担う型は、健診の結果をもとに、動機付け支援や積極的支援を行う。
オクタウェル等の「すこやせプラン」は、管理栄養士がオンラインで初回面接を行い、薬剤師が立ち会って継続支援をする形だ。

仲介する仕組みもある。
メドピア子会社のフィッツプラスは、健康保険組合と管理栄養士のいる薬局の間に入り、契約や請求の事務を担う代行機関を行うことを2021年に発表している。

みるたす株式会社(薬樹グループ)は、提携する薬局グループのネットワークを使い、健康保険組合が一つの集合契約でまとめて利用できる形を案内している。

くすりの窓口は、加盟する薬局・ドラッグストアの店頭で保健指導を行えると案内している。
お薬手帳アプリに健診結果を連携し、健康チャレンジでポイントを貯めながらセルフケアを続けられるアフターフォローの仕組みや、お薬手帳利用者のレセプト情報で服薬中の人を対象から外す判定の仕組みも紹介されている。
薬剤師と管理栄養士が一緒に取り組んだ事例
日本薬剤師会の2022年の事例集には、薬剤師と管理栄養士が協力した事例がある。
腎機能が下がった方の食事回数や水分量の調整、糖尿病の方への訪問での食事指導、介護食の選び方、管理栄養士が監修した減塩弁当の販売などを行った。
毎月の「健康ケアカフェ」で、薬と食事の相談を通じて熱中症やフレイルの予防につなげる取り組みもある。
動いた方がよい人/様子見でよい人
少し動いてみてもよいかもしれない人
- 患者さんから食事や栄養の相談を受けるが、社内研修が不足している・連携先がない
- 予防や健康づくりに取り組みたいが、今の職場にはその機会がほとんどない
- 管理栄養士など他の職種と協力して働く職場に関心がある
様子見でよさそうな人
- 栄養の相談をほとんど受けず、困っていない
- 現在の薬局業務だけで満足している
情報収集としてエージェントに相談する選択肢
管理栄養士と一緒に働く環境や、予防・栄養に力を入れる職場の様子は、求人票だけでは分かりにくいかもしれない。
そうした情報を聞く手段として、転職エージェントへの相談も選択肢に入る。
よい点は、職場の外から見た情報や、他の職場の状況を聞けることだ。
登録しても転職が決まるわけではない。
一方で、連絡が増えることがあり、紹介される求人はそのサービスが扱う案件に限られる。
連絡が負担に感じる人や、今の職場に確認したいことが特にない人には向かない。
